【事例】 増築建物の登記について
建物が完成したら、きちんと登記記録に反映させなければなりません。
建物の増築登記は、案外難しいんです。
正直、一度は「これ、無理じゃないか?」と思ったこともあります。
今回は増築登記についての事例をあげたいと思います。
今回の依頼内容
売買にあたり、現状を登記したい
増築されているが、誰が増築したかわからない
原所有者は増築部分の登記をしていないまま、現状で購入している
アパートで所有者が転々としている
増築できれば購入したい
必要と考えられる所有権証明書
1,評価証明書 増築部分が反映されていない
2,第三者の証明書 2通必要。原所有者でしか証明できないが原所有者が特定できない。
3,建築概要書 増築部分の届出がされていない。10㎡を超える増築なので必要であるが、申請せずに工事している。
4,売買契約書 増築部分の面積が明確に記載されずに「現状のまま」引渡します、という内容になっているので、明確な証拠資料にならない。
課題点
1,所有権証明書が揃られるか?
2,原所有者をどうやって特定するか?
3,増築年月日の特定をどうするか?
解決策
1,評価証明書 役所にも調査してもらい増築面積を反映してもらった
2,第三者の証明書 法務局と相談して現在の所有者で出すことになった
3,直前の売主からの上申書 問い合わせたがそれは出せない、とのことだったので、仲介に入った不動産業者から上申書と印鑑証明書を取得した
4,増築年月日 住所記録から新しい住所に入っている日を特定した
*過去の所有者に連絡をとって状況を確認したが、増築をしたかどうかはあやふやな回答であった。税金のことをきにして応えてくれなかったと思っている。
まとめ
1,証拠のない増築登記は調査に時間がかかること
2,関係者への聞取り作業に時間がかかること
3,現状を登記簿に反映させないといけないので、変更の手続きは必要であること
以上、今回の増築建物の登記に関する事例でした。
【お問い合わせ先】
土地家屋調査士法人半嶺当徹事務所
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